- 2017-06-05 (月) 15:59
- 建築工学科
建築工学科・建築工学研究科の堂本です。
3週間ほど前、建築工学科1年生の授業中にこんなことがありました。
ある学生から不意に
「先生、これから授業中に小テストをしてぇな」
と発言があったのです。私は耳と目を疑いました。
「どうした? 何かあったんか」
と思わず問い返した私に、彼はこう答えたのです。
「俺、定期テストでいい点を取ったことないけど、授業頑張ってるやろ! それを証明したいんや。
そやからいい成績つけてや」
中間テストが控えていて、それも1年生にとっては本校での初めての定期テストなので、みんなが不安と興味を抱いていました。私は戸惑いながらも
「おっ、おぅ・・」
と返していました。たぶん豆鉄砲をくらったような顔をしていたと思います。そして少し授業も止まってしまいましたが、心温まる発言でもあり、
「ありがとう。前向きに検討しとくわ」
と答えました。
実はその二日ほど前、授業中の態度をめぐって彼とちょっとやり合っていたのです。
「誰も決して見捨てたくないんや。他のみんなが頑張ってやってるんやから、一緒に頑張ろ。
あきらめたら終わりや」
彼はバツが悪そうに体を起こすと、おとなしく聞く姿勢になり、そのままその日の授業は終わりました。そんなことがあった次の日の出来事が、冒頭の不意の発言だったのです。そして先日、彼の発案による初めてのミニテストを行いました。
「先生、やること早えぇな」
「そりゃあ、いい提案はすぐやらんとな」
言い出しっぺの学生は、照れ笑いをしながら、テストに積極的に取り組んでいました。
授業の内容は難しくても、それでもやる気を起こしてくれた学生を、成績以上に評価したいと思った瞬間でした。
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