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高温殺菌牛乳を使ったチーズ作りにチャレンジ!

めっきり春らしく桜の咲く新学期が近づきました。新入生の入学を心待ちにしています。食品生命科学科の金子です。

今回は、低温殺菌牛乳でしか作れないと言われる「チーズ」作りに、一般に売られている高温殺菌牛乳を使ってチャレンジしました。
牛乳を高温で殺菌すると、牛乳タンパク質のエステル結合していたリン酸がカルシウムと結合し「リン酸カルシウム」に変化してしまうため、チーズができない状態となります。
牛乳が固まるときに遊離のカルシウムイオンが必要ですが、高温殺菌牛乳では遊離のカルシウムイオンが不足し、酵素を加えたときの凝乳が不十分になってしまいます。そのために、チーズを作るには低温殺菌牛乳を使う必要があります。

であるならば、遊離のカルシウムをあえて高温殺菌牛乳に添加すれば、高温殺菌牛乳でもチーズ製造は可能ではと思い、実験しました。

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牛乳は3種類、いずれも高温殺菌牛乳を200ml用意しました。
 ➀写真左端:グリコ 「カルシウム鉄分」強化牛乳  カルシウム量500mg/牛乳200ml
 ➁写真中央:オハヨー 通常市販高温殺菌牛乳  カルシウム量250mg/牛乳200ml(塩化カルシウム50mg添加)
 ➂写真右端:オハヨー 通常市販高温殺菌牛乳  カルシウム量300mg/牛乳200ml(塩化カルシウム100mg添加)

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40℃に達した時点で凝乳酵素「キモシン」を0.1g添加しました。40℃を保ちながら30分放置しました。

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たんぱく質が固まりカード(チーズの基)とホエーが分離した後、ガーゼでカードをこしました。

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残念ながら、カルシウム強化牛乳は固まりませんでした。この製品は乳飲料であり、乳たんぱく質が少ないためか、固まらなかったと思われます。鉄分強化の影響も考えられます。

カルシウムの添加量が多くても、チーズの量には変化がありませんでした。
カルシウムを添加することは邪道かも知れません。しかし、塩化カルシウムは薬局で手に入りますので、通常売られている牛乳でチーズが簡単に作れることがわかりました。

食品生命科学科では、このような不明な点を解明する実験も行っています。ぜひ科学(化学)に興味のある方はオープンキャンパスものぞいてみてください。

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