こんにちは、教頭の平野です。(一社)岡山県建築士事務所協会が企画する「第20回優秀卒業作品表彰」の専門学校の部最優秀賞に、本校建築工学科2年佐々木琉翔さん(令和7年3月当時)の作品が選ばれました。設計のバランスの良さなどが評価され、見事につかみ取った栄冠。佐々木さんに受賞の感想や作品の概要などを聞きました。
-最優秀賞を受賞した率直な感想をお願いします。
「すごくうれしいです。取れるとは思っていなかったので、自分が選ばれたときは、『えっ、本当⁇』と思いました」
-受賞作品の名称は「建物が造り出す人の歩み」です。コンセプトや特徴を教えてください。
「課題地は、岡山市中心部で、西川緑道公園と市役所筋に挟まれています。市中心部は再開発が進んでいて他地域に比べ自動車の通行量が多い一方で、公園が少ない印象でした。歩いて楽しい、のびのびと過ごせる場所を造ろうと考えました」
-作品を考えるにあたって苦労したり、工夫したりしたのは、どういった点になりますか。
「建物の形状は最も悩みました。いろいろと思考しましたが、しっくりくるものがなく、先生にアドバイスを求めました。そこで、周辺の建物の形も踏まえたらどうだといった意見をいただき、今回の作品のアイデアを思いつきました」
「色遣いは工夫した点の一つです。白色を多く用いたことで落ち着いた雰囲気を醸し出すことができました。また、周辺の建物に白色が少なかったことで目を引く作品となった気がしています」
-カギセンの同級生もいろいろと別の作品を出していました。アイデアを出しあったり、競い合ったりしたことはありましたか。
「課題地は四つあり、違う地域の同級生とは切磋琢磨して、互いに参考にするところもあったと思います。同地域の同級生については、『自分の方がよりいい作品を作る』と、静かに闘志を燃やしていました」
-あらためてですが、この作品にはどんな思いがこもっているのでしょうか。
「気軽にふらっと訪れて、気持ちよく歩いてほしいといったところですね。ただ、まだまだ完璧な作品ではないと思っています。外装にこだわりすぎて、内装などに時間を割けませんでした。次に作品を手掛ける際は、もっと全体のレベルを上げていきたいです」
-実際にこうした建物を造るには、どのような力をつけていく必要がありますか。
「多くの有名な建築物を見て、どういう理由で名を知られるようになったのか、なぜ活用されているのか、逆にデメリットとなっている部分はあるのかといったところを把握し、知見を深めることが大事だと思います。そうすれば、広い視野で作品制作ができると考えています」
-令和7年4月、本校建築工学研究科に進学しました。今後の学生生活の目標を教えてください。
「まずは2級建築士の資格を目指して頑張り、取得できたら、建築積算士の資格取得、卒業制作と進んでいきます。卒業制作は今回の受賞作を上回る作品を完成させたいです」
-今後、入学してくる後輩にアドバイスをお願いします。
「入学したときを振り替えると自分に設計ができるのかという思いがありました。しかし、指導を受ける先生方は一級建築士だったり、建築事務所で実際に働いていた経験を持っていたりするので、安心して何でも聞くことができます。大船に乗ったつもりで、勉強してもらえればと思います」
◇佐々木さんのこぼれ話◇
佐々木さんは、岡山後楽館高校出身。もともと、ものづくりが好きで、進路は大学と専門学校で迷ったそうですが、「専門に行って好きなことに集中して取り組みたい」と、2級建築士の資格取得が目指せる本校を選びました。将来はハウスメーカーへの就職を希望しており、「お客様の要望にしっかりと応え、担当が佐々木さんでよかったと言ってもらえるような設計士になりたい。お客様が満足感を漂わせる笑顔をたくさん見たいです」と話しています。
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