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2025-02-26
外国出身者では珍しい検査員で活躍 本校OBのデデさん
こんにちは、教頭の平野です。本校二級自動車工学科OBのデデ・スルヤナさん(25)=インドネシア出身=が、ヤマトオートワークス株式会社岡山工場で、外国出身者では珍しい自動車検査員として頑張っているお話をご紹介します。検査員は自動車整備士の最上位資格で、「日本人でも取得が難しい」と言われていますが、デデさんは昨年の試験でなんと一発合格。その後は日々、整備が終わった車が安全に走行できるか確認しています。試験に受かった際の気持ちや現在の仕事内容、今後の抱負などについて聞きました。
-昨年1月の試験で検査員に合格しました。率直な感想を聞かせてください。
「初めて受けた試験で合格したのでとてもうれしかったです。整備関係の法律について覚えることを頑張りました」
-試験は「検査に関する項目」「基礎法令・整備士法令」から出題されました。自信はありましたか。
「勉強を始めた当時は難しいと思っていましたが、自宅で勉強を頑張ったのと、先輩にいろいろと教えてもらったこともあって、自信を持って臨めました」
-勉強はどのようにして行ったのですか。
「仕事に行く前の2時間ほどを使い、過去問をどんどん解きました。あと、時間がある時には会社の工場内を見回して、自動車の構造など試験に関係ありそうなところを確認することもしました」
-検査員になり、仕事内容や待遇はどう変わりましたか。また、仕事に向き合う意識に変化はありましたか。
「整備士の仕事に加えて、整備が完了した自動車の最終チェックとなる『完成検査』を行うようになり、やりがいが増して給与もアップしました。多い日で1日5台ほど検査しています。車の安全の最終的な責任を負うので、集中して仕事に取り組んでいます」
-2021年3月に本校を卒業後、ヤマトオートワークスに就職しました。そのきっかけを教えてください。
「1年生の夏に職場見学をさせてもらった時、小型車から大型車まで幅広く整備でき、車について理解を深めることができると思いました。ヤマトでアルバイトをしていて、会社名を知っていたことも理由の一つです」
-入社後、この春で5年目を迎える職場はどのような雰囲気でしょうか。
「明るく楽しい職場で、分からないことがあれば上司や先輩たちが教えてくれます。入社してよかったです」
-本校の学生時代について聞きます。なぜ二級自動車工学科に進学したのでしょうか。
「もともと父親がインドネシアで自動車整備士をしており、子供のころから車に興味がありました。日本車も多く走っていました。日本に来て岡山外語学院に通っていた際、二級自動車工学科のオープンキャンパスに参加したところ、先生の知識や技術が素晴らしかったので、入学したいと思いました」
-二級自動車工学科ではどんな思い出がありますか。
「勉強は難しかったですが、先生たちが優しく、分からないことを質問するとしっかりと答えてくれました。日本語も上達し、学生時代に日本語能力試験(JLPT)のN1を取得できたのもよかったです」
-現在、ヤマトオートワークスで充実した毎日を送られていると思います。今後の抱負についてはいかがでしょうか。
「完成検査の際、ちゃんとした手順でミスなく終えることを続け、車の安全走行に貢献したいです。ただ、まだまだ覚えることはたくさんあるので、勉強します。一級整備士の資格取得にも興味があります」
-後輩たちへのアドバイスをお願いします。
「検査員になるのは簡単ではありません。会社で整備士主任を1年以上務める必要があり、車の構造や法令など覚えることも多いです。しっかりと勉強することが大事なので、ぜひ頑張ってみてください」
ヤマトオートワークス株式会社岡山工場 金久保博史工場長の話
「検査員の試験は文章の言い回しが難解で、問題を理解しづらい場合があります。その中で一発合格できたのは、とても優秀な証です。デデさんはまじめで日本語も上手。落ち着いた行動力も持ち味で、将来、外国出身者初の工場長になれる力量があると思っています」
こぼれ話
デデさんは一昨年12月、日本で知り合ったインドネシアの女性と結婚されました。現在、6か月の長女と3人で暮らしており、引き続き、日本で頑張っていこうと考えているそうです。また、ヤマトオートワークス岡山工場では、デデさんを含め本校OB計4人が勤務しており、全員で力を合わせ仕事に汗を流しています。自動車検査員の人数は一般社団法人日本自動車整備振興会連合会(JASPA)のまとめによると、令和6年3月時点で約9万9千人です。そのうち外国出身者の人数についてJASPAと国土交通省自動車整備課に問い合わせたところ、そうした統計はないとのことでしたが、同課の方は「感覚的に、なかなかいらっしゃらないと思います」と話されていました。
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