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第9回:伝わりますか?

宮元です。

コンピュータープログラミングは楽しいと言ってきました。しかし、プログラミングの何が、どこが楽しいのかと尋ねられると、ハタと困ってしまいます。いろいろ考えてみたのですがやはりうまく説明できません。そこで、仕事で得た感動から説明のヒントが見つかるかと思い、振り返ってみます。

社会人になってすぐの仕事は、第4回目で紹介したような大型汎用コンピューターで動くプログラムを書くことでした。実際は、その何年も前に誰かが好き勝手に書いたプログラムを、一定のルールに従って書き直す標準化という作業でした。本来のプログラマーの仕事は、設計者が意図した処理を間違いなくプログラミング言語で表現することです。加えて、処理効率がよく、後々保守しやすいプログラムが書けるかどうか、プログラマーとしての腕の見せ所です。職業人としてのプログラマーにはさらに、決められた時間内、予算内でという制約が加わります。

膨大な量のデータを一瞬で処理するコンピューターのプログラムを、いろいろな条件・制約の中で書いて、それが世の中の役に立っていると感じたときの想いやら、プログラムで表現した処理を間違いなく遂行するコンピューターというハードウエアそのものに対する「すごい機器だ」という感動、そういうものを考え出し作ってしまう人間のすごさに高揚感を覚えるのです。

1980年頃は情報処理産業の認知度も地位も低く、無理難題を強いられ、今でいうと完全にブラックな働き方もしていました。肉体的にも精神的にも苦しくて辛い思いもするのですが、そんなもの、お客様の「ありがとう」の一言で吹き飛んでしまい、また頑張ろうと思い直すことの繰り返しでした。

私はかねがね「コンピューターは人間が考案し作り出した傑作の一つ」と思ってきました。どんな形であるにせよ、傑作であるコンピューターを身近に感じていることが楽しいのかなと思います。そんなわけですから、プログラミングだけが楽しいのではなく、そのプログラムに従って動くコンピューターという最高傑作の一つにかかわっていられることが楽しいのです。
この説明でわかっていただけるでしょうか。

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